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ルワーカーとかの仕事を取ってしまうのではないですか、と言われますが決してそうではなく、専門家の人が専門家としての仕事が出来るように助けてあげる部分を持っているのがタイムダラーの仕事です。私たちタイムダラーボランティアがいろいろなボランティアグループへ行き、タイムダラーをしませんかとお誘いしたお陰で、今までボランティアをやっていながら排他的でお互いの情報の交換が得られなかったグループの人たちが、今ではタイムダラーというシステムを通じて一緒に情報交換等も出来るようになりました。そしてまたタイムダラーというシステムを取り入れたことによって、従来のボランティアのグループの活性化の役目もしています。

 

●マイアミ「タイムダラー」の活動状況

 

マイアミのケースをお話しいたします。前に言いましたように、いろいろなグループにタイムダラーについての話をし、協議会を作っています。学校でのボランティアグループ、病院でのボランティアグループ、老人ホーム、行政関係、ロータリークラブ、AARP(3400万人の会員がいる大規模な高齢者の団体)、赤十字、子どもたちのグループ、そういったグループに呼びかけをしまして、現在マイアミでは63のクループがタイムダラーをやっています。ボランティアの総数は約7000人です。そのうちの約1200人は利用のみ、約1900人は協力のみで、残りの約300人は自分たちの貯めた時間を寄付しています(自分は使わないで全て会にプレゼント)。そして約3500人の人はお互いに利用会員になったり、協力会員になったりして1ヶ月に1万2000時間のやり取りをしています。ではどういうことをしているのかと言うと子守り、高齢者のためのデイケアセンター、送迎、話相手、ペットの世話、電話での安否確認、買い物、食事サービス・配達、支援グループ等日常生活で考えられる全てのことについてのプログラムがあります。
またこの7000人をどんな人が企画運営しているかというと、まずディレクターが1名います。これが私です。それから私と一緒に企画運営してくれるプロジェクトコーディネーターが1名います。その他現場での代表者が2名、リクルートする人(あちこちへ行ってボランティアを募集する)が12名います。そして各地域で常日頃会員さんたちをお世話するリーダーさんが72名おります。
最初私たちが案を出して始めようとした時に、行政関係の方達、特に福祉関係、ソーシャルワーカーの方達は本当に出来るのかという不安を抱いていましたが、8年経った今、その地域の質を高めるものだ、自分達が行政を通じて行っているサービスもタイムダラーのおかげで向上してきた、という評価を得ています。
それは私たちがソーシャルワーカー、ヘルパーさん連の目や耳となって活動していったからです。ヘルパーさん連の数は限られていますので、その人達がどうしても出来ない隙間を埋めていきました。専門家の仕事をとるのではなくて、限られた時間で出来ないことを私たちが行い、限られた予算で福祉水準を下げないという結果が出ております。
このように私たちが支払った税金が有効に使われていることによって、行政にも新しい事業が生まれてきます。マイアミでも私たちが地域を助けることによって、新しい事業が生まれてきています。
私たちのシステムの中では、今までサービスを受けていた人たちにもボランティアをす

 

 

 

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